2022年6月、KATOよりJR九州の885系1次車アラウンド・ザ・九州が再生産となりました。
こちらの製品は初回生産が2013年9月でしたので、約9年ぶりの再生産ということになります。
今回の再生産では、動力も非フライホイール、T車床板もボディマウントではない形でしたので、新たに品番が起こされることもなく、あくまで再生産との位置づけですが、この9年間で実車の運用範囲も拡大したことから、付属シールの内容などが更新されています。
それでは、開封記録をしてみたいと思います。
- KATO <10-246> 885系(1次車)<アラウンド・ザ・九州>6両セット メーカーHP 発売日:2022年6月 当センター1編成在籍
当センターには、2022年ロットのほか、初回生産2013年ロット(2013年9月発売)のモデルが1編成在籍しています。
プロトタイプは1次車ラストナンバーのSM7編成
2013年9月の初回生産品もSM7編成でしたが、あくまで再生産ですので今回もSM7編成がプロトタイプとなっています。
(とはいっても、同一品番で再生産される場合でも、車番が変更となるパターンもあるようです。。。)
なお、今回の再生産にあたり細かな部分が現行仕様にアップデートされていて、前回品が2010年以降の黄色のかもめからアラ九塗装に変更となったばかりの頃がプロトタイプだとすると、2022年頃の運用や車番位置などを再現しており、初回生産品とは明らかな違いがみられる再生産となっています。
このような場合、同じ品番といえどもコレクターとしては初回生産品も再生産品も、両セットともそろえたくなってしまうという、お財布には非常に厳しい状況となっています(笑)
以下、メーカーHPより引用します。
JR九州の885系は、883系をベースに開発した振子機構搭載の交流特急形電車です。平成12年(2000)に、従来の485系を置き換えて速度向上を図るべく「かもめ」の運用で長崎本線で活躍をはじめ、翌平成13年(2001)には「ソニック」用として増備されて運用線区を日豊本線へと拡げました。平成22年(2010)からは、「白いかもめ」として登場した1次車も増備の2次車に合わせて当初の黄色帯から青色帯に塗り替えて車体各所のロゴマークも「かもめ」から「AROUND THE KYUSHU」へと変更され、「かもめ」「ソニック」として活躍しています。
885系(1次車)〈アラウンド・ザ・九州〉 6両セットは、今回の再生産から車番の位置、ヘッドライト色、シール内容等が現行仕様に変更となります。
KATO HPより引用
以下、当セットのSM7編成となります。
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クロハ884-7 | モハ885-107(M) | サハ885-107 | サハ885-7 | モハ885-7 | クモハ885-7 |
フロントマスクとライトチェック
885系独特の丸みのある優雅な先頭部が的確に表現されています。
2022年発売の製品ではありますが、白いかもめとして最初に発売されたのが2000年ですので、金型自体は当時のものと同じです。
20数年前の金型ですが、今見ても見劣りしない素晴らしい出来となっています。
ヘッドライト点灯状態です。
初回製品では白色LEDで白く輝いていたヘッドライトも、今回の再生産から実車と同様の電球色LEDが採用されています。
テールライトの点灯状態です。
再生産で色味に変更はありませんが、前回品より少し明るくなっています。
シャッタースピードを遅くして撮影してみました。
肉眼ではこんな風には見えませんが、闇夜のイメージということで。。。
こちらも同じくシャッタースピードを遅くして撮影したものです。
おでこのヘッドライトからテールの光漏れがしているように見えますが、肉眼ではこのように見えませんので念のため。。。
各車特徴とサイドビュー
クロハ884-7
下り寄り先頭車で1号車となります。
クロハの名の通りグリーン・普通合造車です。
車体中央の乗降扉を境に、運転室側がグリーン客室、連結面側が普通客室となっており、車体中央で分割された構造は783系を彷彿とさせます。
モハ885-107(M)
2号車に連結される中間電動車です。
屋根上にはシングルアームパンタを備えています。
乗降扉を境に、車端部にフリースペース、客室側にトイレを備えており、窓配置が片側に偏っているのが特徴です。
なお、モハの100番台は1次車にのみ連結される番台区分となります。(2次車の2号車はモハの200番台となります。)
パンタを上昇させるとき、出来れば「集電舟」を架線(に見立てた空間・・・)と並行に保ちたいところですが、KATOのシングルアームパンタは、パンタ上枠と集電舟のハマリが緩い個体が多い印象を受けます。
こちらのモハも、画像のとおり集電舟が架線(に見立てた空間・・・)と並行にならず傾いてしまっています。。。正直、気持ち悪いです・・・って細かすぎるか!?
サハ885-107
3号車となるサハの100番台です。
車端部にフリースペースが設けられています。
床下機器が少なく、サハって感じの床下です。
なお、サハの100番台は1次車にのみ連結される番台区分となります。(2次車の3号車はサハの300番台となります。)
サハ885-7
4号車に連結されるサハの0番台です。
車端部にフリースペースとトイレを備えています。
床下にCPが2台備えており、サハでありながら床下がにぎやかになっています。
モハ885-7
5号車に連結されるモハの0番台となります。
こちらも車端部にフリースペースが設けられています。
こちらのシングルアームパンタ集電舟もパンタ上枠とのハマリが緩く、架線に対し平行にするのが難しく、傾いてしまいます。。。なんとも気持ち悪いです。
ゴム系接着剤を可動部に少し入れてあげるといいのかもしれませんね。
クモハ885-7
6号車の連結されるクモハです。
車端部にフリースペースが設けられており、床下から伸びる大窓が特徴的です。
クロハ884とクモハ885は同じ先頭車ながら、グリーン・普通合造車のクロハと、普通車としてズラリと並ぶ窓配置のクモハでは、側面表情が全く異なっており、模型趣味的にも面白いです。
ディテール
JR九州では細かな文字がデザインされた車両が多く、885系の先頭部もかなり細かな文字がレタリングされており、模型においても、その細かな文字が判読可能なレベルで綺麗に印刷されています。
1号車のクロハ884-7のアップです。
先頭部から運転席窓に流れる文字は「885 LIMITED EXPRESS INTERCITY AROUND THE KYUSHU」と印刷されています。
スカートとボディ継ぎ目と乗務員扉下には、それぞれ「KYUSHU RAILWAY COMPANY」と印刷されています。乗務員扉下の印刷は、ほんとに細かな文字で書かれています。
乗務員扉窓の右には、かもめマークの下に、大きく「885」の文字と、その下に「AROUND THE KYUSHU SINCE 2000」と書かれています。こちらもかなり細かな文字で印刷されています。アラ九塗装に変更後も、かもめマークが残されているなど、白いかもめ時代のなごりが見られます。
2号車のモハ885-107です。
乗降扉の右側のスペースには、大きなアラ九マーク(つばめマーク)とともに「885 LIMITED EXPRESS INTERCITY AROUND THE KYUSHU」の文字が配置されております。
なお、アラ九塗装となる前の黄帯塗装のカモメ時代は、大きなカモメマークと「KAMOME INTERCITY KYUSHU SINCE 200」の文字が配置されておりました。
山間部を走る885系アラ九クロハ884-7です。
半室グリーンの特徴的な窓配置となっています。
隣は787系つばめクモロ787-3です。こちらはアラ九塗装変更前のオリジナルです。
787系オリジナル編成は全室グリーン、885系は半室グリーンなので、同じグリーン車でも窓配置や乗降扉位置など違いがあり面白いです。
最後尾のクモハ885-7です。
隣は787系オリジナル塗装のクモハ786-3です。
クモハはどちらも普通車ですので、787系も885系も小窓がズラリと並び連結面側に乗降扉という構造となっています。
素晴らしい出来のKATO885系、唯一の惜しいポイント・・・
ここで一つ、KATO885系で惜しいなと思うポイントを・・・
KATOの885系は今見ても出来は素晴らしいのですが、車体と窓ガラスの面一感が微妙なのです。
こちらは4号車のサハ885-7です。
ボディと客室窓を見てみてください。
窓部分のガラスが奥まっているため、この部分だけにフォーカスしてみると、少しチープに見えてしまいます。。。
ガラスパーツの窓部分をもう少し厚くすれば、面一感が良くなるのではないかと思うんですよね、惜しい・・・・
と、感傷にふけっていたところ・・・
ん!
なんか気になるものを発見!
なんか、糸くずのようなものが引っ掛かっています。
手で引っ張ってみましたが、ボディとガラスパーツにガッチリハマっていて取れません。
なので、分解してガラスパーツゆるめたら糸くずが取れるのか、試してみます。
ということで、早速分解です。
赤丸部分に糸くずが詰まっています。分解したことでガラスパーツとボディのハマりは緩くなっているので、このまま手でひぱってみると・・・
糸くずが取れました。
赤丸で囲ったところにハマっていた糸くずを置いていますが、ボディからヒョイと少しだけ出ていたようですが、わりと長めの糸くずでした。
製造工程でブラシの糸くずが混入したんでしょうかね・・・?
まあ、購入時にパーツの一部が外れているとか、このように糸くずがパーツにハマっていることなどありますが、自分で対処できるものは対処できるようになっていたほうが良いです。
そのためには、ある程度車両を分解することにも慣れておくといいですね。
自分でできるレベルのことで、いちいち販売店やメーカーにお願いするのもめんどくさいですし。。。
同じ糸くずの混入でも、塗装工程で塗装に糸くずが混じっていることがあり、こればっかりは自分で対処することができないこともあります。
払えば取れそうな糸くずを取ったところ、糸くず部分に塗装が乗っておらず目立ってしまうことが合ったり、そもそも糸くずを巻き込んで塗装がされていて糸くずを取ることができない場合もあります。
このような場合は、まずはメーカーにどうすればよいか確認してみることをお勧めします。初期不良基準に合致すれば、メーカーにて対応いただける場合もあります。(初期不良は、販売店から新品で購入した場合に限られますので、オークションや中古品は基本的に対象外となります。)
なお、初期不良と思われる場合も、メーカーごとに初期不良基準があるはずですので、まずは問い合わせてみましょう。いきなり商品をメーカーに送っても、メーカー基準で初期不良にならないレベルと判断されると受け付けてもらえない可能性もあります。
パッケージ
それでは、コレクターの本領発揮ということで、パッケージを見ていきます。
(885系1次車アラ九の2022年ロットの内容です。)
KATO標準のブックケースです。
KATO標準のブックケースは、長年このようなKATOグリーンの紙スリーブで、変化がないように見えますが、実は細かな変化があるのです。
スリーブの上下が昔はホチキス止めとなっていましたが、今は接着となっています。
それ以外でも、裏側の注意書きなどが微妙に変化していることもあります。
例えば、昔はリサイクルマークがなかったり、注意書きが一つの枠にまとまっているのか、下の画像のように二つに分かれているのか、など、細かな違いがあるんですよ。
誰がそこまで気にするのかって話ですが・・・
ただ、コレクターの私はかなり気にしますし、中古やオークション購入時には、どのロットであるのかのヒントだったり、ほんとに購入時のままなのか(新品購入したときの状態がスリーブ含め保持されているのか)などの参考にもなります。
ということで、スリーブ裏側です。
こちらは2022年現在のKATO標準スリーブですが、885系1次車アラ九の初期ロットの2013年のスリーブも全く同じでしたので、その頃から現在まではスリーブに変化はなさそうです。
側面の商品表示です。
こちらも年代や生産ロットによって違いがみられる部分です。
中には、生産ロットによって商品名の表示が変わっていることが合ったり、細かい部分だと、税抜き価格が表示されているかどうか(一番したの「KT17800」の部分)の違いがあったりします。
なお、手元の初期ロット2013年製と見比べたところ、こちらも特に変更点はないようです。
ブックケース表面の表示も、ロットによって商品名の表示が違う(数値が全角半角の違いがあるなど)こともありますが、2013年ロットとの違いは見られませんでした。
ブックケース本体を開封しました。
説明書とシールが封入されています。
説明書裏面です。
右下に2022と記載されているとおり、2022年ロットとなります。
今回の再生産では、ライトパーツや床下パーツ、シールなどの仕様が2013年ロットから変更されているため、ASSY一覧も更新されています。
説明書をとると、車両保護用のプチプチが敷かれています。
上から、クロハ884-7、モハ885-107(M)、サハ885-107、サハ885-7、モハ885-7、クモハ885-7となっています。
左上にはパーツポケットがあり、屋根上機器のみが後付けパーツとなっています。
今回の再生産ではシールが更新されています。
2013年初回ロットでは、白いかもめ・白いソニック用のシールのみでしたが、実車運用範囲の変更にあわせ、ソニック&にちりんが含まれるシールに更新されています。
試運転(10秒動画)
それでは、最後に試運転時の動画です。
10数秒程度の動画ですので、よろしければお楽しみください。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございました。