2020年5月、KATOよりJR九州の883系リニューアル車(AO-18編成)が再生産となりました。
こちらの製品は初回生産が2009年10月、前回再生産が2011年8月でしたので、約9年ぶりの再生産ということになります。
あくまで再生産ですので、初回生産・前回生産と同様、動力も非フライホイール、カプラーも台車マウントとなっています。
それでは、開封記録をしていきます。
- KATO <10-288> 883系「ソニック」 リニューアル車 7両セット メーカーHP 発売日:2020年5月 当センター1編成在籍
当センターには、2020年ロットのほか、初回生産2009年ロットが1編成在籍しています。
2011年ロットは予算の都合上、導入見送りとなっております・・・
プロトタイプは4次車ラストナンバーのAO-18編成
2009年の初回生産品もAO-18編成でしたが、2020年ロットもAO-18編成です。
なので、再生産で車番の変更はありません。
ところで、実車は2023年11月時点で本線運用されておりません。
というのも、2022年12月末に発生した九州工大前駅での事故により、2023年11月時点でも小倉工場に入場したままとなっており、クロハの前面パネルなど未復旧箇所があり、いつ運用復帰するのかわからない状況です。
1号車~3号車までが日豊本線から見える位置に留置されていることも多いようですので、日豊本線を利用される際は確認できるかもしれません。
いずれにしましても、一日も早い復旧を願うばかりです。
では、気を取り直してモデルについてみていきましょう。
製品の特長について、以下メーカーHPより引用します。
883系「ソニック」リニューアル車 7両セット
KATO HPより引用
・モハ883-1000、サハ883-1000を増結し、7連化した編成をプロトタイプに製品化
・リニューアル時に変更された深いメタリックブルー塗装、正面の「S」エンブレムを再現
・精悍な車体、重厚な台車まわりを美しく的確に表現
・885系と同様の車体形状を持つ1000番台の中間増備車を組み込んだ、独特の編成形態を再現
・ヘッド/テールライト点灯。ヘッドライトは電球色LEDを採用。フォグランプの色の違いを再現
・カーブで車体が内側へ傾く、KATO独自の振り子機構を搭載
・ジャンパ管付KATOカプラー密連形を、中間車連結部に標準装備
・スマートなシングルアーム式パンタグラフ、高圧機器が密集した屋根上形状等、複雑かつ立体感あふれるディテールを的確に表現
【AO-18編成 編成図】
< | < | < | ||||
クロハ882-8 | サハ883-208 | モハ883-208 | モハ883-1003 | サハ883-1003 | サハ883-8 | クモハ883-8 |
やはり、見どころは何と言っても増結増備車のモハ・サハの1000番台ではないでしょうか?
車体断面が全く異なるうえ、オリジナル883系のビートのある側面に対し、側面はツルッツルの増結車。おまけに増結車のモハ・サハはオリジナルの883系とは逆になっており、3号車のモハの後ろに4号車にもモハが続くという変則編成となっています。
車体断面が全く異なる6号車サハ883-8(右※)と5号車サハ883-1003(右)
(※)画像では間違って2号車のサハ883-208を連結しております。
メーカーHP:KATO <10-246 / 10-1475 / 10-1798> 883系「ソニック」 リニューアル車
※ 10-288、10-1475は、2023/11時点で品薄のため、新品・中古とも定価以上の価格設定をしているお店もあるため、導入される場合は設定価格に注意してください!
<10-288> 883系「ソニック」 リニューアル車(AO-18編成) 7両セット【今回ご紹介のセット】
<10-1475> 883系「ソニック」 リニューアル車(AO-4編成) 7両セット
<10-1798> 883系 「ソニック」 リニューアル車 (AO-3編成) 7両セット
フロントマスクとライトチェック
883系のメカニカルな先頭部が的確に表現されています。
フロントパネルは1次車(AO-1、AO-2)、2次車(AO-3)、3次車(AO-4、AO-5)、4次車(AO-16~AO-18)で異なる表情となっており、特に5両編成で落成した4次車のフロントパネルのデザイン自体は3次車と同じであったものの、編成ごとにパネル色を変えており、遊び心のある仕様となっていました。
その後、リニューアルを経て、4次車のフロントパネルがボディと同色のブルー一色に統一されたことから、先頭車の見た目は3次車と4次車で同じ「S」マークのある表情となっています。
なお、製品自体ですが、こちらは2020年再生産品ですが、初回生産品から細かな改良はあるものの、基本的仕様は初回生産された2001年12月時点の構造を踏襲しています。
既に20数年が経過した設計ですが、今見ても見劣りしない素晴らしい出来となっています。
なお、振り子機構自体は、KATO初期の仕様(E351系や885系などと同じ)となっており、383系や381系などで改良されている振り子機構ではないため、レイアウトによっては脱線する可能性があるのが注意点です。
おっと、話がそれてしまいました。。。
それでは、ヘッドライト点灯状態です。
ヘッドライトとフォグランプの色味の違いが上手く表現されています。
テールライトの点灯状態です。
ヘッドライト、テールライトを交互に点灯させた状態です。
各車特徴とサイドビュー
クロハ882-8
下り寄り先頭車で1号車となります。
クロハの名の通りグリーン・普通合造車です。
車体中央の乗降扉を境に、運転室側がグリーン客室、連結面側が普通客室となっており、車体中央で分割された構造は783系を彷彿とさせます。
先頭部のアップです。
乗務員扉の右には、大きくS「SONIC」マークと1号車のレタリングがあります。
乗降扉付近のアップです。
ドア左側には883系のトレードマークであるミッキーマウスのようなヘッドレストを模したマークと、グリーンマークがきれいに印刷されています。右側には1号車の番号が印刷されています。
車端部右下には、車両番号「クロハ882-8」が□囲みで記載されています。
サハ883-208
2号車に連結されるサハの200番台です。
付随車ながら、屋根上にはシングルアームパンタを備えています。
付随車にパンタがあるのは、813系と同じですね。
(813系もクハにパンタがあり、クモハにはパンタがない構成)
パンタ部のアップです。
(本来2号車ですが、間違って6号車の位置に連結しているため、左が5号車のサハ883-1003となっております。)
パンタを上昇させるとき、出来れば「集電舟」を架線(に見立てた空間・・・)と並行に保ちたいところですが、KATOのシングルアームパンタは、パンタ上枠と集電舟のハマリが緩い個体が多い印象を受けます。このあたりは885系と同じですね。
こちらのサハも、画像のとおり集電舟が架線(に見立てた空間・・・)と並行にならず傾いてしまっています。。。正直、気持ち悪いです・・・って細かすぎるか!?
車両中央部には、一つだけ幅広の窓が設置されています。
この場所は、リニューアル前には真ん中にテーブルのあるボックス席のセミコンパートメント(センターブース)でしたが、リニューアル後はセミコンパートメント座席前後の仕切りも撤去され、一般座席とされています。
ちなみに、この部分は一般座席といいつつ窓配置の関係もあって、この場所の座席間隔はちょっと広めです。
このような座席はAO-1~5編成では2号車・4号車~7号車、AO-16~18編成では2号車・6号車・7号車に設置されています。
モハ883-208(M)
3号車となるモハの200番台です。
クルーズルームと車販準備室を備えており、その分客室が少ないのが特徴です。
なお、模型では動力車として設定されています。
クルーズルーム・車販準備室側のアップです。
「SONIC」ロゴ右の小窓は、車販準備室の小窓です。現在は車内販売自体が終了しており、時代の流れとはいえ寂しい限りです。
モハ883-1003
4号車に連結されるモハの1000番台です。
885系と同じ車体断面をしており、このセットの目玉車両とも言えます。
3号車もモハですが、こちらの4号車もモハとなっており、AO-16~AO-18編成では883系としてはモハ2両が連続する形となりますが、外観ではパンタが設置されたモハであるため、編成上のパンタ位置のバランスが取れています。
当初の883系にあったセンターブースは、増備車については元から設置されておらず、ご覧の通り885系ばりに小窓がズラリと並んでおります。
乗降扉付近のアップです。
SONICのロゴの下には、「INTERCITY KYUSHU SINCE 2008」と書かれています。増備されたのが2008年なので、1000番台にのみこの記載があるようです。
サハ883-1003
5号車に連結されるサハの1000番台です。
こちらも885系と同じ車体をしており、このセットの目玉車両です。
883系のサハはパンタ設置が基本ですが、1000番台増備車のサハにはパンタは設置されておりません。
乗降扉付近のアップです。
SONICのロゴの下には、「INTERCITY KYUSHU SINCE 2008」と書かれています。増備されたのが2008年なので、1000番台にのみこの記載があるようです。モハと同じですね。
小窓がズラリと並ぶ側面です。
こう見ると、885系ソニックカラーみたいな印象です。
1000番台増備車である5号車サハのとなりは、通常の883系となります。ご覧のとおり、ソニックカラーで揃ってはいますが、形は凸凹で趣味的にも楽しい外観となっています。
上下の拡大画像では、右側は本来6号車のサハ883-8を連結すべきところ、間違って2号車のサハ883-208を連結していますが、凸凹イメージはつかめるかと思います。
サハ883-8
6号車に連結されるサハの0番台となります。
車端部に乗務員室が設置されています。
パンタ下の乗務員室のアップです。
(画像では、本来6号車に連結すべきところ、2号車に連結しているため、左側が1号車のクロハ882-8となっております。)
クモハ883-8
7号車の連結されるクモハです。
普通車ですので、センターブース跡の窓のみ他の窓と比べて幅広となっております。
乗降扉付近のアップです。
センターブース跡の窓は、他の窓と比べて幅広となっています。
また、窓の両側にはヘッドレストマークとソニックマークが描かれております。
先頭部のアップです。各種レタリングが綺麗に表現されています。
斜め上から眺めてみました。
反対側のアップです。
メーカーHP:KATO <10-246 / 10-1475 / 10-1798> 883系「ソニック」 リニューアル車
※ 10-288、10-1475は、2023/11時点で品薄のため、新品・中古とも定価以上の価格設定をしているお店もあるため、導入される場合は設定価格に注意してください!
<10-288> 883系「ソニック」 リニューアル車(AO-18編成) 7両セット【今回ご紹介のセット】
<10-1475> 883系「ソニック」 リニューアル車(AO-4編成) 7両セット
<10-1798> 883系 「ソニック」 リニューアル車 (AO-3編成) 7両セット
パッケージ
それでは、コレクターの本領発揮ということで、パッケージを見ていきます。
(883系リニューアルAO-18編成の2020年ロットの内容です。)
KATO標準のブックケースです。
KATO標準のブックケースは、長年このようなKATOグリーンの紙スリーブで、変化がないように見えますが、実は細かな変化があるのです。
スリーブの上下が昔はホチキス止めとなっていましたが、今は接着となっています。
それ以外でも、裏側の注意書きなどが微妙に変化していることもあります。
例えば、昔はリサイクルマークがなかったり、注意書きが一つの枠にまとまっているのか、下の画像のように二つに分かれているのか、など、細かな違いがあるんですよ。
誰がそこまで気にするのかって話ですが・・・
ただ、コレクターの私はかなり気にしますし、中古やオークション購入時には、どのロットであるのかのヒントだったり、ほんとに購入時のままなのか(新品購入したときの状態がスリーブ含め保持されているのか)などの参考にもなります。
ということで、スリーブ裏側です。
上記画像の2020年ロットの注意書きは、ご注意の日本語部分と英語部分が分かれており、その下にMade in Japanの文字が記載されています。
2009年ロットの紙スリーブ裏面を見てみると、注意書きは日本語と英語は一つの白枠内に記載されていて、2020年ロットのように二つの白枠には分かれていません。また、Made in Japanの文字も印字されていません。細かな部分ですが、2009年時点の紙スリーブと2020年時点の紙スリーブは若干異なる、ということです。(かなり細かいことですので、どうでもいい方も多いと思いますが。。。)
側面の商品表示です。
こちらも年代や生産ロットによって違いがみられる部分です。
中には、生産ロットによって商品名の表示が変わっていることが合ったり、細かい部分だと、税抜き価格が表示されているかどうか(一番下の「KT19700」の部分)の違いがあったりします。
なお、手元の初期ロット2009年製と見比べたところ、こちらは特に変更点はないようです。
ブックケース表面の表示も、ロットによって商品名の表示が違う(数値が全角半角の違いがあるなど)こともありますが、2009年ロットとの違いは見られませんでした。
ブックケース本体を開封しました。
説明書とシールが封入されています。
上記の2020年ロットの説明書では、品番10-288の表示の右側は空白スペースとなっていますが、2009年ロットの説明書では「1996年ブルーリボン賞のラベル」が印字されていました。
説明書裏面です。
右下に2020と記載されているとおり、2020年ロットとなります。
2009年の説明書裏面のASSYパーツでは、ライトユニットの品番は「4431G」の白色LEDでしたが、2020年ロットでは「4431-3G」の電球色LEDが採用されています。
説明書をとると、車両保護用のプチプチが敷かれています。
上から、クロハ882-8、サハ883-208、モハ883-208、モハ883-1003、サハ883-1003、サハ883-8、クモハ883-8となっています。
左上にはパーツポケットがあり、屋根上機器、バンパー、連結器カバーとなっています。
灰色のパーツは屋根上のアンテナ類です。
ブルーのパーツは、先頭部バンパーと連結器カバーです。
付属シールです。2020年ロットと2009年ロットで違いは見られません。(パーツ品番も同じです。)
メーカーHP:KATO <10-246 / 10-1475 / 10-1798> 883系「ソニック」 リニューアル車
※ 10-288、10-1475は、2023/11時点で品薄のため、新品・中古とも定価以上の価格設定をしているお店もあるため、導入される場合は設定価格に注意してください!
<10-288> 883系「ソニック」 リニューアル車(AO-18編成) 7両セット【今回ご紹介のセット】
<10-1475> 883系「ソニック」 リニューアル車(AO-4編成) 7両セット
<10-1798> 883系 「ソニック」 リニューアル車 (AO-3編成) 7両セット
試運転(10秒動画)
それでは、最後に試運転時の動画です。
10数秒程度の動画ですので、よろしければお楽しみください。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございました。
メーカーHP:KATO <10-246 / 10-1475 / 10-1798> 883系「ソニック」 リニューアル車
※ 10-288、10-1475は、2023/11時点で品薄のため、新品・中古とも定価以上の価格設定をしているお店もあるため、導入される場合は設定価格に注意してください!
<10-288> 883系「ソニック」 リニューアル車(AO-18編成) 7両セット【今回ご紹介のセット】
<10-1475> 883系「ソニック」 リニューアル車(AO-4編成) 7両セット
<10-1798> 883系 「ソニック」 リニューアル車 (AO-3編成) 7両セット